歯並びやかみ合わせを整える矯正歯科治療は、数か月から数年にわたって通院することが多く、費用も決して小さくありません。そのため、「通いやすい」「費用が安い」「目立ちにくい装置を扱っている」といった理由だけでなく、担当する歯科医師の専門性や医院の診療体制まで確認することが大切です。
この記事では、岐阜市で矯正歯科をお探しの方に向けて、後悔しない医院選びのポイントを解説します。
目次
1.日本矯正歯科学会認定医が担当しているか
矯正歯科は、歯科医師免許があれば標榜できる診療科目です。そのため、「矯正歯科」と掲げるすべての医院に、同じ研修歴や経験を持つ歯科医師がいるわけではありません。
専門性を判断する一つの目安が、公益社団法人 日本矯正歯科学会の認定医資格です。認定医になるには、学会指定研修施設で基本研修と臨床研修からなる5年以上の研修を修了し、診療・学術活動の実績を積んだうえで、症例審査に合格する必要があります。資格取得後も5年ごとに更新審査があり、研修単位や更新症例報告などが求められます。
つまり認定医は、一定期間の研修と臨床経験を重ね、実際に治療した症例を学会へ提出し、診断、治療経過、治療結果について客観的な審査を受けています。医院を選ぶ際は、実際に誰が担当するのか、その歯科医師が認定医かどうかまで確認しましょう。資格は学会の公式名簿でも確認できます。
2.症例審査や学術活動を通じて研鑽しているか
矯正治療では、歯を並べるだけでなく、あごの位置、歯の傾き、骨格、口元のバランス、かみ合わせ、治療後の安定性などを総合的に考えます。同じように見える歯並びでも、原因や適切な治療方法は患者さんごとに異なります。
治療経験を判断するときは単純な症例数だけでなく、治療した症例を学会へ提出し、第三者による評価を受けているかも重要です。学会活動や研修を継続していることは、知識や技術を更新する姿勢を判断する手掛かりになります。
3.歯学博士など学術面の専門性もあるか
歯学博士は、大学院などで歯科医学の研究を行い、学位論文の審査などを経て授与される学位です。日本矯正歯科学会認定医のような臨床資格とは性質が異なるため、歯学博士であることだけで治療技術を判断することはできません。
一方、文献やデータを検討して結論を導く研究経験は、科学的根拠を踏まえて治療を考える姿勢を知る一つの参考になります。認定医資格、症例審査、臨床経験に加え、歯学博士などの学術的背景も含めて総合的に確認しましょう。
4.矯正中の虫歯や歯周病を自院で治療できるか
矯正治療は、歯を動かすことだけで完結しません。装置の周囲は汚れが残りやすく、清掃状態によっては虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。また、歯周病がある状態で無理に歯を動かすと、歯を支える組織に負担をかける可能性があります。
治療前に虫歯や歯周病の有無を確認し、必要な治療を行うことが重要です。治療中も定期的に口腔内を確認し、問題が見つかった場合には、矯正担当医、一般歯科の歯科医師、歯科衛生士が情報を共有して対応できる体制が望まれます。
矯正専門医院では、虫歯や歯周病の治療を別の歯科医院へ依頼することがあります。適切な紹介と医療機関同士の連携があれば問題ありません。しかし、患者さん自身が医院を探し、矯正の進行状況をその都度説明する場合は負担が増えます。
「虫歯があるので、ほかの医院で治療してきてください」と伝えるだけでなく、矯正治療との順序や時期まで責任を持って調整してくれるかを確認しましょう。一般歯科と矯正歯科の両方に対応する医院なら、院内で情報を共有しながら虫歯治療、歯周病治療、抜歯、予防ケアを行える場合があります。
5.インプラントや被せ物まで含めた治療計画を立てられるか
成人の矯正治療では、歯を失った部分へのインプラント治療や、古い被せ物の作り直しなどが必要になることがあります。このような場合、単に歯をきれいに並べるだけでは十分ではありません。矯正治療後に入れるインプラントや被せ物の位置・形・スペースを考え、最終的なかみ合わせから逆算して治療の順序を決める必要があります。
矯正治療、インプラント治療、被せ物の治療を別々に考えると、歯を動かした後に必要なスペースが足りないなど、治療計画にずれが生じる可能性があります。特にインプラントは天然歯のように矯正装置で動かせないため、埋入する位置や時期を事前に十分検討することが重要です。
矯正担当医だけで判断するのではなく、インプラントや被せ物を担当する歯科医師と連携し、お口全体を見ながら包括的な治療計画を立てられるかを確認しましょう。
6.精密検査に基づいて説明してくれるか
矯正治療の計画には、口腔内の診査に加え、顔貌・口腔内写真、歯型、レントゲンなどを用いて、歯や骨格の状態を分析する必要があります。
検査結果をもとに、現在の問題点、治療目標、装置、抜歯の必要性、治療期間、費用、リスク、治療後の保定まで説明してくれる医院を選びましょう。マウスピース型矯正装置とワイヤー矯正にはそれぞれ特徴があります。特定の装置を一律に勧めるのではなく、選択肢とその理由を説明してくれるかが大切です。
7.費用と通院体制が分かりやすいか
矯正歯科治療は自由診療となることが多く、医院によって料金体系が異なります。精密検査料、診断料、装置料、調整料、保定装置料など、治療開始から終了までの費用を確認しましょう。治療期間の延長や装置の作り直しによる追加費用も重要です。
治療中は装置の脱離や痛みなどで予定外の受診が必要になることがあります。担当医の診療日、急なトラブルへの対応、担当医が不在の日の診療体制、治療後の経過観察についても確認しておきましょう。
よくある質問
認定医でなければ矯正治療はできませんか?
歯科医師免許があれば矯正治療は可能です。ただし、日本矯正歯科学会認定医は、5年以上の研修、診療・学術活動、症例審査などの要件を満たした歯科医師です。担当医の専門性を判断する客観的な目安の一つになります。
大人の矯正でも歯周病検査は必要ですか?
成人では、気づかないうちに歯周病が進んでいる場合があります。歯を支える骨や歯肉の状態を確認し、必要に応じて歯周病治療を行ってから矯正を始めることが大切です。歯周病を発症している状態で矯正治療を行うと、矯正治療が失敗する可能性が高くなります。
院長コメント
矯正治療で大切なのは、見た目を整えることだけではありません。歯や歯周組織の健康を守りながら、かみ合わせまで含めて長期的に安定する状態を目指す必要があります。虫歯や歯周病を放置した状態での矯正治療は失敗するリスクが高いです。
当院では、矯正担当医だけで治療を完結させず、一般歯科の歯科医師や歯科衛生士との情報共有を重視しています。治療前や矯正中に虫歯・歯周病が見つかった場合も、患者さんに別の医院を探していただくだけでなく、院内で必要な診査・治療・予防ケアにつなげられる体制を整えています。また、インプラントや被せ物が必要な場合には、最終的なかみ合わせを見据えて、治療の順序を含む包括的な計画を検討します。
矯正治療は長いお付き合いになるからこそ、資格や装置だけでなく、お口全体を継続して任せられる医院かどうかまで確認していただきたいと考えています。
まとめ
矯正歯科を選ぶ際は、日本矯正歯科学会認定医が担当しているか、症例審査や学術活動を行っているか、歯学博士などの専門的背景があるかを確認しましょう。同時に、虫歯・歯周病を院内で治療できること、インプラントや被せ物まで含めた包括的な計画を立てられること、検査と説明が十分であることも大切です。
岐阜市のありもと歯科では、矯正担当医と一般歯科の歯科医師、歯科衛生士が連携し、歯並びだけでなく虫歯・歯周病の予防と治療を含め、お口全体を継続的に診ることを大切にしています。歯並びやかみ合わせにお悩みの方は、まずはご相談ください。



