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入れ歯の種類!保険診療と自費診療の入れ歯の違いも
こんにちは。岐阜市加納朝日町、JR東海道本線「岐阜駅」より徒歩10分にある歯医者「ありもと歯科」です。

入れ歯は、歯を失った方にとって欠かせない選択肢の一つです。見た目の回復だけでなく、噛む力や発音など、日常生活の質を保つためにも重要な役割を担っています。
しかし、一口に入れ歯といってもその種類は多く、保険が適用されるものから、見た目や装着感にこだわった自費診療のものまでさまざまです。どれを選べばよいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、入れ歯の種類やそれぞれの特徴、保険診療と自費診療の違い、入れ歯選びのポイントについて解説します。入れ歯を長く使い続けるためのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
入れ歯の種類

入れ歯には、大きく分けて保険診療の入れ歯と自費診療の入れ歯の2つの種類があります。
保険診療の入れ歯
保険診療の入れ歯は、国の保険制度により一定の費用負担で作製できる義歯です。
使用される材料はプラスチックが中心で、治療工程や設計にも保険のルールが適用されます。保険が適用されるため費用は抑えられますが、金属のバネが目立ったり、装着感に違和感を覚えたりする方もいます。
また、強度を保つために厚みが必要で、口の中が狭く感じることもあります。それでも、広く利用されており、まず入れ歯を試してみたいという方には有効な選択肢といえるでしょう。
自費診療の入れ歯
自費診療の入れ歯は、保険適用外のため費用は高くなりますが、素材や構造の自由度が高く、審美性や機能性に優れた義歯を作製することが可能です。
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーは、金属の留め具(クラスプ)を使わず、歯ぐきに似たピンク色の樹脂で固定する部分入れ歯です。
最大の特徴は、自然な見た目と高い審美性です。金属を使用しないため、装着していることが外からわかりにくく、人前に出る機会が多い方に選ばれる傾向があります。また、柔らかい素材で歯ぐきへの負担が少なく、フィット感に優れているのも魅力のひとつです。
ただし、柔軟な素材であるがゆえに強度は保険の入れ歯より劣ることがあり、使用状況によっては割れやすく、定期的なメンテナンスが必要になる場合もあります。
シリコン義歯
シリコン義歯は、歯ぐきに接する部分にやわらかいシリコン素材を使用した入れ歯です。
従来の硬いプラスチック義歯では感じやすかった痛みや圧迫感を大幅に軽減できる点が大きなメリットです。噛む力を分散させる効果もあり、義歯が歯ぐきに食い込むような痛みを感じにくくなります。
そのため、歯ぐきが痩せている方や、これまで入れ歯で苦労した経験がある方にとっては非常に相性のよい選択肢といえます。
ただし、シリコン部分は経年劣化しやすく、劣化が進むと密着力が落ちるため、数年ごとの交換が必要になる点を理解しておくことが大切です。
マグネット義歯
マグネット義歯は、磁力の力を使って義歯を固定する自費診療ならではの入れ歯です。残存している歯の根やインプラントに磁石(キーパー)を設置し、それと連動する磁石を入れ歯側に組み込むことで、義歯がしっかり固定されます。
目立ちにくく、取り外しが簡単で安定感も高いため、装着時のストレスが少ないのが特徴です。また、支えとなる歯に無理な力がかからないため、歯への負担も軽減できます。
ただし、土台となる歯根が健康である必要があり、すべての患者さんに適応となるわけではありません。事前の診断が非常に重要です。
金属床義歯
金属床義歯は、入れ歯の土台となる床の部分に金属を使用したタイプの義歯で、自費診療の入れ歯のなかでも特に人気のある選択肢です。
保険診療のレジン床に比べて金属床は非常に薄く作ることができ、装着時の違和感が少なく、会話や食事がしやすいというメリットがあります。また、熱伝導性が高いため、食べ物や飲み物の温度が伝わりやすく、食事の楽しさを損なわない点も大きな利点です。
チタンやコバルトクロムなどの金属が用いられ、軽さと強度を両立しています。価格は高額になりますが、長期的に使用できる耐久性を考慮すれば、非常にコストパフォーマンスの高い入れ歯といえるでしょう。
保険診療の入れ歯と自費診療の入れ歯の違い

入れ歯を選ぶ際には、保険診療と自費診療の違いを理解することが非常に重要です。ここでは、費用、見た目、装着感、耐久性という4つの視点から詳しく解説します。
費用
保険診療の入れ歯は、健康保険が適用されるため、自己負担は1〜3割程度に抑えられ、安価に作製できます。たとえば、部分入れ歯であれば5,000円から1万円ほどで作製できるケースもあり、費用面でのハードルは低いといえるでしょう。
一方、自費診療の入れ歯は全額自己負担となるため、数万円〜数十万円、場合によってはそれ以上かかることもあります。
しかしながら、自費診療ではより高品質な素材や精密な作製方法が用いられるため、長期的な視点で見ると費用に見合った価値を得られる場合もあります。費用だけでなく、使い心地や見た目も含めて総合的に判断することが大切です。
審美性
見た目の自然さを重視する場合、保険診療の入れ歯では限界があるかもしれません。保険適用の部分入れ歯には、金属のバネ(クラスプ)が使用されるため、特に前歯に近い位置に装着した場合は、笑った際や会話中に金属が見えることがあります。
それに対して、自費診療の入れ歯では、ノンクラスプデンチャーのように金属を使わず、自然な歯ぐきの色に近い素材で仕上げられるものもあり、審美性が大きく向上します。また、人工歯の質感や色味もリアルに再現されており、まわりの歯と馴染みやすいのが特長です。
日常生活での見た目を重視する方には、自費診療の入れ歯が向いているかもしれません。
装着感
装着感は、入れ歯を快適に使い続けるうえで非常に重要な要素です。保険診療の入れ歯は、厚みのある素材で作られているため、違和感を覚える方も少なくありません。特に発音や食事の際に入れ歯が浮くような感覚を持つ方もいます。
一方、自費診療の入れ歯では、金属床義歯のように床が薄く作られており、口腔内のスペースを圧迫しにくいため、装着感に優れているのが特徴です。
また、シリコン義歯のように柔らかい素材を使うことで、歯ぐきへの負担を軽減し、痛みや違和感の少ない使い心地を実現できます。長時間装着することを考慮すると、快適な装着感は重要な比較ポイントとなります。
耐久性
入れ歯の耐久性は、使用される素材や構造によって大きく変わります。
保険診療の入れ歯は、基本的にレジン(プラスチック)で作られているため、割れたり欠けたりしやすく、長期間の使用には向いていない場合があります。また、変色やすり減りも起こりやすく、数年ごとに作り直しや修理が必要になることも珍しくありません。
一方、自費診療の入れ歯では、金属床のように丈夫で耐久性の高い素材が使用されており、しっかりとケアを行えば10年ほど使用できるケースもあります。そのため、耐久性を重視する方には、自費診療の入れ歯が選ばれる傾向があります。
入れ歯を選ぶときのポイント

入れ歯選びは、単に価格だけで決めるのではなく、自分のライフスタイルや希望に合ったものを選ぶことが大切です。
審美性と自然さ
審美性の高さは選ぶ際の重要な判断基準となります。特に前歯を含む場合は、入れ歯の見た目が印象に大きく影響します。
保険診療の入れ歯では金属のバネが見えることがありますが、自費診療のノンクラスプデンチャーなどは歯ぐきの色に近い素材で作られており、自然な仕上がりが期待できます。
また、人工歯の色や形も選べるため、自分の残っている歯と調和のとれた見た目にすることが可能です。周囲に気づかれにくく、自信を持って笑える入れ歯を選ぶことが大切です。
装着感や違和感の少なさ
快適に使い続けるためには、装着感や違和感の有無が大きなポイントになります。厚みがあったり、フィット感が悪かったりする入れ歯は、話しづらさや食べづらさを感じる原因となり、ストレスのもとになります。
保険診療の入れ歯は使用できる素材や設計に制限があるため、違和感を覚えやすい傾向があります。
一方で、自費診療の金属床義歯は薄くて軽量であり、装着時の不快感が少ないのが特徴です。日常的に使うものだからこそ、着け心地にはこだわるべきです。
費用とのバランス
どれだけ高性能な入れ歯であっても、予算に見合わなければ現実的な選択とはいえません。保険診療であれば費用は抑えられますが、見た目や装着感、耐久性に限界があります。
一方で、自費診療の入れ歯は費用がかかる分、満足度の高い仕上がりになる可能性が高くなります。
大切なのは、安いか高いかで判断するのではなく、価格に見合った価値があるかどうかを見極めることです。初期費用だけでなく、将来的な修理や交換のコストも考慮したうえで選ぶことが大切です。
入れ歯の寿命を延ばすためのポイント

入れ歯は一度作れば永久に使えるわけではありません。毎日の使い方やケアの仕方によって、耐用年数が大きく変わってきます。正しい取り扱いや定期的なチェックを心がけることで、入れ歯を長持ちさせ、快適に使い続けることが可能になります。
毎日しっかり洗浄する
入れ歯には食べかすや歯垢が付きやすく、放置すると口臭や炎症の原因になります。毎日専用のブラシや洗浄剤を使って丁寧に洗浄することで、衛生的に保つことができます。水だけでは十分に汚れが落ちないため、必ず入れ歯専用の洗浄剤を使用しましょう。
就寝時には取り外す
入れ歯を一日中装着したままにしていると、歯ぐきや口腔粘膜に過度な負担がかかり、炎症や痛みの原因になります。
特に就寝中は、唾液の分泌量が減るため細菌が繁殖しやすく、口腔内の衛生状態が悪化しやすい時間帯です。そのため、入れ歯は必ず寝る前に外し、口の中を清潔にしてから休むようにしましょう。
外した入れ歯は乾燥を防ぐために水または洗浄液に浸けて保管するのが基本です。歯ぐきを休ませる時間をしっかりとることで、口内を健康な状態に保ち、入れ歯のフィット感も長持ちさせることができます。
定期的に歯科医院でチェックしてもらう
歯ぐきが痩せたり骨が変化したりすると、少しずつ入れ歯が合わなくなっていくことがあります。はじめは違和感がなくても、知らず知らずのうちにフィットしにくくなり、噛みにくさや痛みの原因になることもあります。
こうした問題を防ぐには、定期的に歯科医院を受診し、入れ歯の状態をチェックしてもらうことが重要です。必要に応じて、調整してもらうことで快適な状態を維持できます。
また、破損や摩耗の早期発見にもつながるため、入れ歯を長く使いたい方は定期メンテナンスを習慣にしましょう。
まとめ

入れ歯は、見た目や噛む機能、発音など多くの役割を担う大切な治療手段です。保険診療と自費診療では、費用・審美性・装着感などに違いがあり、選択肢も多岐にわたります。
自分に合った入れ歯を選ぶためには、見た目や快適さ、費用のバランスなどを総合的に考えることが重要です。また、入れ歯は使い続けるうちに合わなくなることもあるため、日々のケアと定期的なチェックを欠かさず行いましょう。
入れ歯を検討されている方は、岐阜市加納朝日町、JR東海道本線「岐阜駅」より徒歩10分にある歯医者「ありもと歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は「すべての方が安心して気軽に通える歯科医院」をコンセプトとして医院の設計や治療をご提供しております。当院の診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ご活用ください。
